東京都立大学図書館水野家文書調査

近世史料部第二室では、昭和五十一年度より、当室の史料蒐集計画の一環として東京都内の幕政史料の調査蒐集を開始した。その第一回の調査地として東京都立大学所蔵水野家文書を選び、同大学図書館において採訪を実施した。水野家文書は、浜松藩水野家に伝えられた文書で、水野忠邦・忠精の手記などを含み、天保改革・幕末外交史および山形藩政史の史料として貴重なものである。これらの中で、現在当室が編纂をおこなっている天保改革および市中取締関係史料や、政策決定過程における幕閣の動向を知る上で有効とみられる史料に焦点を絞って調査をした。その結果、昭和五十二年一月二十六・二十七日、五月九〜十一日の二回にわたって、水野忠邦日記(日簿類)一九五冊をマイクロ撮影した。なお、今度の調査撮影に際しては、同大学図書館桜井良二氏に御世話になり、謝意を表する次第である。

『東京大学史料編纂所報』第12号